Our Clubhouse
歴史あるクラブハウス
熊本空港カントリークラブのクラブハウスは、1921年に日本近代建築の父と呼ばれるアントニン・レーモンドが創設したレーモンド設計事務所によって設計されました。六角形の天井の下、伸びやかで居心地のいい空間が広がるクラブハウスは、社交場としてたくさんの紳士淑女にご利用いただいています。
アントニン・レーモンドの哲学が生き続けるクラブハウス
高い六角形の屋根とそれを支える大きな支柱のダイナミックな構造が生み出す伸びやかな空間。重工な佇まいの中にも木の温もりを感じさせる内観。訪れる人をゆったりと寛がせる包容力が、レーモンドの建築哲学を物語っています。
巨匠の作り出す空間と歴史を楽しむ
1975年に完成したクラブハウスは、熊本地震などの震災や長年の風雨にも一切揺るがず、現在も建設当時と変わらぬ姿でレーモンド建築の耐久性、機能性、空間創出の素晴らしさを今日に伝えています。
また、照明には20世紀を代表する彫刻家、イサム・ノグチの作品も設置されており、まさに巨匠たちの作り出す空間と言えるでしょう。
やがて50年を迎えるクラブハウスは、登録有形文化財への登録も検討されています。熊本空港カントリークラブにお越しの際は、クラブハウスの空間と歴史もお楽しみ下さい。
Raymond
アントニン・レーモンド
日本近代建築の父
日本の近代建築の父と呼ばれるアントニン・レーモンドは、1888年、オーストラリア帝国統治下のチェコで生まれました。世界三大建築家の一人と言われたフンク・ロイド・ライトの元で設計業務を学び、1919年ライトと共に初来日しました。
帝国ホテル建設後、星製薬商業学校(現星薬科大学)や後藤新平子爵邸の設計を受注したレーモンドは、東京丸の内にレーモンド事務所を設立、日本の社会に深く根をおろすことになります。
第二次世界大戦中は日本を離れますが終戦後に再び来日。引退するまで日本を拠点に置くことになります。レーモンドの88年の生涯のうち43年の間、日本において様々な建築物を精力的に手掛け、日本にモダニズム建築の風を吹き込みました。また、多くの人材を輩出し、「日本近代建築の父」として大きな足跡を残しています。
総合芸術としてのレーモンド建築の哲学
レーモンドは総合芸術としての建築設計について「最も簡潔にして直截、機能的にして経済的、かつ自然なるもののみ真に完全なる美を有するものである。」という言葉を残しており、その哲学は今日もレーモンド設計事務所の社是として受け継がれています。
レーモンド五原則
- 1.直截性建主からの抽象的な要求を目的空間として構成し、機能を最重要視すること。
- 2.単純性虚飾を排除し、無駄、無意味な空間を造らず、これ以上削ぐものがない状態まで簡潔に徹する心。
- 3.経済性費用を無駄なく有効に使いながら、贅肉を付けない端正な仕上がりを心がけ、完成後の維持・管理費等のライフサイクルコストに十分配慮する必要性。
- 4.自然主義資材は出来る限り自然の素材を使い、既存の樹木や敷地形状などの周囲の環境を保持するためにも、自然を損なわずに活用する姿勢。
- 5.民主的な建築建築は個性的、人間的でなければならないという根本的原則
地震や台風に耐え抜く耐久性
2016年4月、熊本は震源地で最大震度7もある「熊本地震」を経験しました。
熊本空港カントリークラブがある菊陽町も震度6前後の揺れを数回と、数千回の余震に襲われましたが、そのような中でも築40年以上になるクラブハウスは、大きなダメージを受けることなく、今も震災前と変わらぬ姿で建っています。
躯体に頑丈な鉄骨が使われていることに加え、つぎ目に振動などのパワーを逃がす“遊び”を設ける耐震構造はレーモンド建築の特徴の一つで、その強度は建設中に関東大震災に遭いつつも倒壊を免れ、その後100年近く使われ続ける建物があるほどです。
耐久性・機能性に優れ、かつ自然に逆らわないレーモンドの建物は、自然災害が絶えない近年、改めて見直されています。
年月を経ても変わらぬ、簡素にして風格あふれる「日本近代建築の父」が残した遺産のひとつとして、熊本空港カントリークラブのクラブハウスを楽しんでいただければと思います。